(画像の絵は、本記事とは関係ありません。画材のテストがてら描いたものです)
最近、昔の映画をよく観る。
通っている喫茶店に映画狂の方がいまして、私も好奇心からいろいろ尋ねて会話の中で出てきた作品をチェックしておいて、家に帰って観るわけです。
ある日のこと、溝口健二監督の「元禄忠臣蔵」(1941,1942)の話をした。
私はあの映画の、画面の剛健さ、主演の河原崎長十郎の立ち姿に感動して、その話をすると、映画狂の方も喜んでいろいろと話を聞かせてくれた。
その時、私は話のネタに平山蘆江の「日本の藝談」という古い本を持参していった。
「ほぉ、平山蘆江はこげな本も出しとったかね。こりゃよか本ばい」と、とても欲しそうにしていたので「読み終わったら、差し上げますよ」と言ったら「なら、お返しに中村翫衛門の藝本ばもってくるたい!」ということになった。
「ばってん、今時、前進座を知っとるちゃめずらしかばい」とからかわれた。
さて、話を「ごろつき船」(1950)にうつしましょう。
監督は森一生、あらすじは・・・書くのが大変なので、キーワードだけ挙げると「幕末」「蝦夷」「アイヌ」「密貿易船」・・・あとは想像してください笑
主演は大河内傳次郎、敵役に月形龍之介、この二人のチャンバラというだけでも観る価値があります。
鈴木敏夫さんがラジオで「宮崎駿が「日本で一番殺陣が上手いのは月形龍之介」だと言っていた」と、言っていました。
一方、大河内傳次郎も殺陣の達人と言われており、その二人がこの映画で戦うわけです。
しかし、私がここで言いたいのはチャンバラのことではありません。
私はこの映画は「もしかしたら宮崎駿の原点なのではないか」と思ったのです。
どうもこの映画には、宮崎作品のエッセンスがふんだんに盛り込まれているような気がしてならないのです。
この映画の物語性、勘所、キャラクター性など、私にはこの映画から宮崎駿作品がみえてくるような気がします。
まぁ、そんなこと抜きにしても、単純に面白いので是非とも皆さんに観てもらいたい映画なのです。
現代のチャンバラは、アクロバティックになってしまいました。
芸は追求するほど地味になってしまい、大衆向きでなくなってしまいます。我々観客も観る目を養わないと、このままでは磨かれた芸が理解されなくなってしまいかねません。
というわけで、以下に映画のDVDリンクを貼っておきますので、興味のある方はご覧頂ければと思います。
それでは!
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