「樺島勝一を知っているか?」
と、絵描きの先生に言われ「名前は知っていますが・・・」と言うと、先生は本を持ってきてくれた。
タイトルは「心の流浪 挿絵画家・樺島勝一」
樺島勝一は、大正末期~昭和前期の挿絵画家。ペン画の巨匠。
吃音であったことから、喋らないですむ仕事を模索、画家を志し、独学でペン画を鍛え上げた。
該博であり、基本的には何でも描けたが、時代的な背景、また彼自身、船が好きだったこともあり船の絵が多く「船の樺島」と称される。
自らが描いた船に対し「ロープ一本間違いはない」というほど徹底的にリアルを追求した。
本は、樺島の生涯を丁寧に追っており、他にもたくさんのエピソードがあるが、ざっと本を読んだうえで樺島勝一を紹介するとこんなものだろうか。
絵描きの先生は「私が子供の頃は、挿絵目当てに”少年倶楽部(少年雑誌)”を買って、よく模写をした」と言っていた。
「樺島勝一を知っているか?」
同じ質問を現代の絵描きにしたら、一体どの程度が知っているだろうか。
昔の優れた絵描きのことは、恥ずかしながら私もよく知らない。
是非とも、現代の絵描きに喝を入れてくれるような昔の優れたペン画家特集なんかやってみてほしい!
記事のラクガキ絵は、4コマ漫画「正チャンの冒険」(画・樺島勝一、作・織田信恒)から。
正チャンの「正」は、大”正”の正。
初めて、フキダシが登場した漫画とされている。
正チャン(画像中央)が被っているポンポンの付いたニット帽は、今でもよくみられるが、この漫画により流行したもので「正チャン帽」と呼ばれている。
リアルばかり描いてきた樺島勝一が、この作品は可愛い絵で描いており、絵作りに苦労したそうだが味わいがあって良い。
正チャン、猫背なのである。
私の正チャンラクガキは大分リアルになってしまった。
これだけ偉そうに言っているが、読んだことはない。
いつか読めるといいなぁ。
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